宇宙で熟成されたペトリュス、1億円で販売

ワイン記事
国際宇宙センターISSで14ヶ月熟成された、シャトー・ペトリュス2000年が競売大手クリスティーズで発売されました。普通でもペトリュスは、かなり高価なワイン(60〜80万円)なのですが、“宇宙熟成”の付加価値がついて推定価格は、約150倍の100万ドル!地球で熟成させたペトリュスがもう1本と、専用の収納ケースやワインオープナーも付いてくるようですが、1億円の前では駄菓子のオマケに見えてきます。(以下Decanterの記事を翻訳、編集したものです)

オークションハウスは、地球を周回する国際宇宙センターISSで1年以上寝かされたシャトー・ペトリュス2000年が、クリスティーズから売りに出される予定だと発表しました。

クリスティーズのプライベートセール販売のアナウンス後、コレクターには“宇宙ワイン”シャトー・ペトリュス2000年を入手する機会が与えられます。クリスティーズのスポークスパーソンは、推定販売価格が100万ドル(720,000ポンド)であることを発表しました。この取引きでは、購入者は「地球で寝かされた」シャトー・ペトリュス2000年と、「隕石から作られた」コルク抜きと、デキャンタとグラスも手に入れる事ができると、クリスティーズは述べました。(5月4日)

オーダーメイドのケースに入って売られます。Christie’s Images Ltd 2021

また、この宇宙ワインは、パリのLes Ateliers Victorで作られた特別なケースに収納されています。Les Ateliers VictorのCEO、Benoit Miniouによると、このケースは「Jules Verne(フランスの小説家)にインスパイアされた、太陽系の後ろに隠された秘密の金庫」というデザインコンセプトが盛り込まれており、900時間以上にわたる作業で作られました。

パリのLes Ateliers Victorでデザイン、作成された特注ケース Christie’s Images Ltd 2021

12本のシャトー・ペトリュス2000年は宇宙で440日を過ごし、これは月旅行300回分に相当します

これらは、Space Cargo Unlimitedによる広範囲な研究プロジェクトの一環で、軌道に打ち上げられ、国際宇宙ステーションで14か月間保管されました。

デカンター誌のJane Ansonを含む選ばれたテイスターグループは、ボルドー大学ワイン研究所ISVVが開催したイベントで、宇宙ワインと地球で保管された対照サンプルを比較しました。公式レポートによると、テイスターはワインの特徴にわずかながらも明らかな違いを発見しました。「このワインにおける、これまでの経験からすると、この特定のボトルは、21年経ったシャトー・ペトリュス2000年から予想される味わいよりも進化しているようです」とAnsonは言いました。「美しく、ニュアンスがあり、上質なタンニンとエネルギー感があります。地球のワインの表情とは明らかな違いがあります。」と、アンソンは両方のサンプルに98点の評価をつけました。

太陽系の後ろに隠された秘密の金庫にペトリュスは収納されています。Christie’s Images Ltd 2021.

売却収益は「将来のミッション」の資金にあてられます

クリスティーズは、売却による収益は、将来の宇宙ミッションへの資金提供に充てられると述べました。「このシャトー・ペトリュス2000のボトルは、ワインの成熟をより深く理解するための重要な一歩となります」と、クリスティーのワインスピリッツ部門の国際ディレクター、ティム・トリップツリーMWは述べています。

「クリスティーズは、このような初ボトルを市場に投入し、Space Cargo Unlimitedの農学に関する研究の継続を支援できることを嬉しく思います。」

Space Cargo Unlimitedの共同創設者兼CEOであるNicolasGaume氏は「この売却の収益により、今後地球上で必要となる農業や食品の発明に役立つ宇宙での6つの実験であるミッションWISEを継続させることができます」と述べています。

(以上、Decanterの記事を抜粋、翻訳、編集しました)

地球で熟成したシャトー・ペトリュスなら、1億円もしません!
私事ですが、実はシャトー・ペトリュスは79年と83年の垂直飲みをした事があります。その時の、私のテイスティングコメントは「おかわりっ!!」の一言でした(笑)

最後まで、お読み頂き有り難うございました

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