ローヌ川流域南部 練習問題

WSET L3日本語
ローヌ川流域南部の練習問題です。9問あります。WSETは過去問がなく、試験問題の情報が少ないです。本番の試験の準備にお使いください。
ローヌ川流域南部の練習問題


1. なぜ南ローヌではブドウの樹が地面近くに仕立てられることが多いのか説明せよ。

  • 強い北風(ミストラル)がブドウの樹を打ちつけ、ダメージを与えるため、地面近くに仕立てることで風から守ることができる。
  • 地面からの反射熱がブドウの成熟を促進する。
  • 南ローヌでは霜のリスクがほとんどないため、高く仕立てる必要がない。

※ブドウが低く仕立てられる理由です。まずは強い風から守るためが、第一の理由です。余裕があったり、配点が高い場合は、熱についても書くと良いです。



2. なぜ南ローヌではブドウの樹がブッシュ・ヴァインにされることが多いのか説明せよ。

南ローヌは暖かく、乾燥し、日差しの強い地域である。ブッシュ・ヴァインにすることで、陰を作り果実を保護することができる。よって、日焼けによってブドウの果皮に苦味が出るのを防ぐことができる。また、陰が増えると風通しが悪くなり、病気が発生しやすくなる可能性があるが、この地域ではカビ系の病気のリスクは低いため、ブッシュ・ヴァインは適している。


3. 以下のワインを見て、そのスタイルを説明せよ。

このワインはフルボディで、特徴である高いアルコール度に釣り合う凝縮感のあるスパイシーな赤系果実の風味と濃厚な感触を備えている。

4.このワインの醸造者は、いくつのブドウ品種の中から使用する品種を選ぶことができるか?

  • 13種類


5. グルナッシュが南ローヌに適している3つの理由を述べ、説明せよ。

1. グルナッシュは晩熟の品種であり、温暖から高温の地域で栽培する必要があるため。南ローヌの地中海性気候で、夏は温暖なため完熟することができる。

2. 南ローヌの土壌は、石の多い土壌であり、日中の太陽熱を蓄えて畑を暖かく保つ。ギャレと呼ばれる磔岩で覆われた畑もあり、この環境下でグルナッシュはよく熟す。

3. グルナッシュは干ばつに強いため、干ばつが一般的な問題となる南ローヌの気候に適している。


6. 南ローヌでは、ワイン生産者が黒ブドウ品種をブレンドすることが多い。なぜブレンドをするのか、スタイル面と実用面での理由を述べよ。

  • ブレンドすることでワインの一貫性が保たれる。単一品種のワインでボトルごとに大きな違いがあるのは欠陥と見なされる。小型のオーク樽で熟成されたワインは、ボトルごとに異なる発展を遂げることがあるため、瓶詰め前に大きな容器でブレンドする必要がある。
  • バランスの向上:ブレンドすることで、ワインのバランスが良くなる。
  • 複雑さの向上:ブレンドによって、ワインに複雑味が加わる。
  • グルナッシュは、スパイスの効いた凝縮した赤系果実(ジャムのような、煮詰めた果実)の風味、ボディ、アルコールをもたらす。酸は低く、タンニンは柔らかい。
  • シラーは色とタンニンを補う。ただし、とても暑い場所では栽培が難しい場合がある。
  • ムールヴェードルは深い色と非常に高いタンニンをもたらす。完熟すると、濃厚な黒系果実の風味や、野生肉や肉のような香りが生まれる。
  • カリニャンは高い酸、タンニン、色をワインに与える。
  • サンソーはタンニンや色よりも赤系果実の風味をもたらし、フレッシュでフルーティーなロゼに適している。
  • 歴史的背景とAOC規制:南ローヌのAOC規定では、複数の品種をブレンドすることが認められている。
  • 効率性:ブレンドすることで、収穫したすべてのブドウを有効活用できる。
  • リスク管理:気候やヴィンテージごとの変動を考慮すると、単一品種に頼るのはリスクが高いため、ブレンドによって安定した品質を確保できる。
  • スタイルの維持:ブレンドによって、ワインのスタイルを決定し、一貫性を維持できる。地域の気候やヴィンテージにばらつきがあっても、ブレンドによって狙ったスタイルを実現できる。また、単一品種ワインであっても、異なる醸造方法で造られたブドウをブレンドすることがある。

ブレンドをする理由は、どの地方でも聞かれる可能性のある質問です。基本的に、Consistency, Balance, Complexity, Style, Risk managementの5つは、どこの産地でも使える理由になります。後は、その産地の特性や、その産地で栽培されるブドウ品種の特性を絡めて解答すると、高い得点がとれます。


7. 以下のワインを見て、このワインの主要なブドウ品種を2つ挙げよ。

  • グルナッシュ / サンソー


8.上のワインのスタイルを述べよ。

  • フルボディのロゼワインである。風味が強く、熟成によってより複雑味が増す。


9. このワインのスタイルを実現するため、使われた可能性の高い醸造方法を1つ挙げ、説明せよ。

  • 短期間のマセラシオン(Short maceration method)
  • 黒ブドウを破砕し、色素と風味をより多く抽出するためにマセラシオンを行う。この場合、より深い色と風味を得るために長めのマセラシオンが行われ、発酵初期にまで継続されることもある。

※タヴェルとプロバンスのロゼを対比して覚えましょう。プロヴァンスのロゼは淡い色調なので、同じ問題でも「直接圧搾」が答えになります。

※短期間のマセラシオンと呼ばれながら、長めのマセラシオンをするので、混乱しないよう気をつけてください。

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