ちょっと泣けた感動ワイン、アモンラ

テイスティング
今回のワイン
2011 アモンラ(ベン・グレッツァー)
2011 Amon Ra by Ben Glaetzer
オーストラリア・バロッサヴァレーのシラーズ。天才醸造家と言われるベングレッツァーが作るカルトワイン。アモンラとは、古代エジプトの最高神の名。
2011 アモンラ・ベン・グレッツァー

友人のお店で飲んだワイン。一言で言うと感動のワインだった。ブラインドで飲んだのだが、非常に芳醇でスケール感が大きく、それなのに押し付けがましさがなく上品さを兼ね備えたワインに感じられた。冷涼か温暖かと聞かれたら、温暖な地域。ニューワールドかオールドワールドかは迷う所だった。ニューワールドにしたら抑制的で、ヨーロッパのワインならイタリア、スペインの暖かさを感じる。丸みのある熟成感で、タンニンは完全に液体に調和し溶け込んでいる。溢れんばかりの香りと、口いっぱいに広がる果実味、高い粘性を持ちつつも非常にシルキーで優雅さがある。ダークチェリーなど黒い果実の印象に、官能的なスパイスの要素。凝縮度が高く濃厚さがあるのに、どこまでもスムースで飲み疲れを感じさせない。テルマンシアのような熟成したトロのテンプラニーニョや、トスカーナのオルネライアなどがイメージと重なる。めちゃくちゃ美味しい。

答えを明かされて、驚いた。まさかのオーストラリアのシラーズだった。しかも、私が彼にソムリエ試験の合格祝いでプレゼントしたワインだったのだ。もう7、8年は経つだろうか。当時は、まだ若く荒さのある印象だったのだけど、こんなにも上品に成熟しているとは。そりゃ、僕も歳を取るわけだ。手前味噌になってしまうが、人生単位で心に残るワインだと思えた。感動して、ちょっと泣きたいくらいの夜だった。

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